暮らし方
家のなかにもサードプレイスを!
「夫の顔が見えないようにリフォームして下さい」
四半世紀インテリアコーディネーター
という仕事をしていますと
驚く案件に出会うことがあります
「女性の鈴木さんなら、
お客様の気持ちが判るかと思って。。」
と、取引先の建築関係の男性からの電話でした
定年退職後のご主人が、
一日中食卓の自分の席に座っていて
もう耐えられない~という内容でした
新聞を読んだり、書物をしたり
トイレ以外はほぼ動かないのだそうです
ロの字型にオープンになった台所に立つ奥様から
その位置がちょうど見えるのですね
これを聴いた私は、
これには奥様の声にならない訴えと希望が
混じっている!?と感じました
「定年退職してから出不精になった夫です
しっかり三食を家で食べるようになって
私がキッチンに立つ時間も増えました
たまには外食に誘って欲しいな、でも
夫は気づいてもくれないものね
こんな状況がいつまで続くのでしょう~
このままでは嫌いになっちゃうかもよ
いまのうちに何とかしなければ。。」
という声が!
(あくまでも私の想像です)
一日のほとんどを別々に時間を過ごしてきた夫婦が
定年退職を機に
長時間共に過ごす事になります
ただ壁を作れば良いわけではないのが
悩ましい所です
壁ごしではお互いの気配が感じられず
コミュニケ―ションがとりにくくなる事が多いと
これまでの経験から感じます
このご家庭では、
ご主人の居場所をつくる事が良い方法と思いました
リビングや近くの和室にご主人がほっとできる
設えをつくってみる
複雑なことではなく、
部屋のどこかにゆったりした椅子とテーブルを置いてみる
といった工夫で解決する可能性は大
と思いました
サードプレイス=心地よい第三の場所
をリビングのなかに作ってしまうのです
写真は、今秋オープンした
創世スクエア内市民交流プラザです
様々な形・色の椅子が空間に配置されていて
お好みの場所で読書を楽しむことができます
1Fにあるカフェのドリンクも持ち込めます
訪れたこの日も、
市民がゆったりくつろぎながら
自分時間を楽しまれている様子が伺えました
公共の場に、こんな素敵なサードプレイスが
できる時代に、
家のなかにサードプレイスがあっても良いのでは
と思うのです
ご主人のお好みに合わせて
居心地良いように工夫を重ねて
食卓から居間へ、自然に移動して頂くのです
【最後に】
実はこのリフォーム、実現しませんでした
ご主人が留守の時に相談に乗って下さいと
仰っていた奥様でしたが
おうち大好きなご主人が留守にする事はなかった
から、ではないかと。。これも想像です
さて家ねっとではこれまで
年に1,2度セミナーを開催してきましたが
次回は少々趣向を変えて行うことになりました
参加者の皆さまに家ねっとメンバーを身近に感じて
いただけるような工夫を考えています